
男たちの美容外科総院長の宮部です。「男たちの美容外科」ではAGA、薄毛に関する情報発信を行っています。今回は、AGAに関してよくいただく質問を徹底的に解説していきます。
今さらAGAという言葉についての説明は必要ないのかもしれません。それほどまでに世間ではよく耳にする言葉ですが、念のためご説明すると、AGAとはAndrogenetic Alopesiaの略称で、日本語にすれば男性型脱毛症のことです。
小難しく言えばそうなるのですが、要するに思春期以降の男性の進行性の脱毛症で、いわゆる「ハゲ」「薄毛」と呼ばれている男性のお悩みの1つです。
男性の抜け毛・薄毛の原因の90%以上がAGAであるので、抜け毛の症状が現れたらほぼAGAと思っていただいて構いません。しかし、少なからず他の原因も存在するのでAGAならではの特徴を説明させて頂きます。
目次
AGAの特徴
AGAの初期症状

AGA(男性型脱毛症)は、進行性の脱毛症であり、早期に対策を始めることで進行を抑えることが可能です。しかし、初期の段階では症状がわかりにくいため、気づかないまま進行してしまうこともあります。ここでは、AGAの初期症状と早めの対策について解説します。
1. AGAの代表的な初期症状
① 生え際の後退(M字ハゲ)
額の両端(こめかみ部分)の髪が薄くなり、M字型に後退していくのが特徴です。
② 頭頂部の薄毛(O字ハゲ)
つむじ周辺の髪が細くなり、地肌が透けて見えることがあります。
③ 髪が細くなり、コシがなくなる
ヘアサイクルが短縮されることで、太く成長する前に抜けてしまい、全体的に髪のボリュームが減っていきます。
④ 抜け毛の増加
シャンプー時や枕元に抜け毛が増えたと感じたら、AGAの可能性を考えましょう。
⑤ 頭皮の皮脂分泌が増える
AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響で、頭皮が脂っぽくなることがあります。
2. AGAの初期症状に気づいたら?
① 専門クリニックで診断を受ける
早期発見・治療が重要なため、AGA専門のクリニックや皮膚科を受診しましょう。
② AGA治療薬の活用
フィナステリドやデュタステリドはDHTの生成を抑え、ミノキシジルは発毛を促進します。医師と相談の上、適切な治療を始めましょう。
③ 食生活と生活習慣の改善
亜鉛・ビタミンB群・たんぱく質を含む食事を意識し、規則正しい生活を心がけることが大切です。
④ 頭皮ケアの見直し
適切なシャンプーを選び、頭皮の血行を促すマッサージを取り入れましょう。
AGAの初期症状は、「生え際や頭頂部の薄毛」「髪の細さ」「抜け毛の増加」などが特徴です。早期発見・対策が重要であり、クリニックでの診断や治療薬の活用、生活習慣の改善が効果的です。気になる症状があれば、できるだけ早く対策を始めましょう。
AGAの原因
AGA(男性型脱毛症)の主な原因は、遺伝と男性ホルモンであると考えられています。
1. 遺伝的要因
AGAは遺伝的な要因が強く関与しており、特に母親から受け継がれるX染色体上の遺伝子が影響すると言われています。しかし、父親からの遺伝も否定できません。AGAになりやすい体質は、親から子へと受け継がれる可能性があります。
2. 男性ホルモン(DHT)
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)は、AGAの進行に深く関わっています。5αリダクターゼという酵素の働きによって、テストステロンがDHTに変換されます。DHTは、毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合し、髪の成長サイクルを短縮させます。その結果、髪は十分に成長する前に抜け落ちてしまい、細く短い髪へと変化していきます。
3. 5αリダクターゼの活性
5αリダクターゼの活性が高い人は、DHTの生成量が多くなり、AGAが進行しやすい傾向にあります。5αリダクターゼには1型と2型があり、2型は主に前頭部や頭頂部の毛包に存在し、AGAの発症に強く関わっています。
4. その他の要因
遺伝や男性ホルモンの影響以外にも、AGAの発症や進行に関わる可能性のある要因がいくつか存在します。
- 生活習慣の乱れ: 睡眠不足、偏った食生活、過度なストレスなどは、ホルモンバランスを乱し、AGAを悪化させる可能性があります。
- 頭皮環境の悪化: 皮脂の過剰分泌や頭皮の炎症は、髪の成長を妨げ、抜け毛を促進する可能性があります。
- 加齢: 年齢を重ねるごとに、男性ホルモンの影響を受けやすくなり、AGAが進行する可能性があります。
AGAの進行
AGAは、一般的に前頭部や頭頂部から進行し、徐々に薄毛が広がっていきます。進行パターンには個人差があり、M字型、O字型、U字型などがあります。
AGAは遺伝なのか

AGAの発症には、遺伝が関与していると考えられていますが、環境要因や生活習慣も影響を与えるため、一概に「遺伝だけが原因」とは言い切れません。次にAGAの遺伝的要因について詳しく解説します。
1. AGAと遺伝の関係
AGAの発症には、主に男性ホルモン(アンドロゲン)と遺伝的要因が関与しています。特に、5αリダクターゼという酵素がテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換し、これが毛根の受容体と結合することで脱毛を引き起こします。この「DHTに対する感受性」は遺伝によって受け継がれることが多く、親や祖父母にAGAの症状がある場合、子や孫も発症しやすくなります。
2. どのように遺伝するのか?
AGAの遺伝に関与する遺伝子はいくつか存在すると考えられていますが、特にX染色体上にある「アンドロゲン受容体(AR)遺伝子」が重要とされています。この遺伝子は母親から息子に受け継がれるため、「母方の祖父が薄毛だった場合、AGAになりやすい」と言われることがあります。しかし、AGAの発症には複数の遺伝子が関与しているため、父親側の影響も無視できません。
AGAは遺伝的要因が強く関与する脱毛症ですが、環境要因や生活習慣によっても影響を受けます。親族に薄毛の人がいるからといって必ずAGAになるわけではなく、逆に家族にAGAがいなくても発症することがあります。日頃から髪の健康を意識し、早めの対策を講じることが、AGAの進行を防ぐカギとなるでしょう。
AGAを薬で治療する方法
ミノキシジルの効果と副作用

ミノキシジルは、発毛を促進する代表的な成分として、AGA(男性型脱毛症)の治療に広く使用されています。
1. ミノキシジルの効果
① 血管拡張作用で毛母細胞を活性化
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されたもので、血管を拡張し血流を改善する作用があります。これにより、毛根に酸素や栄養が行き渡りやすくなり、発毛が促進されます。
② 休止期の毛を成長期に戻す
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルがありますが、AGAでは成長期が短くなり、休止期の毛が増えてしまいます。ミノキシジルは、この休止期の毛を成長期に戻し、抜け毛を減らす効果があります。
③ 太くて強い髪を育てる
継続して使用することで、細く弱い髪が徐々に太くなり、コシのある髪に改善されます。
2. ミノキシジルの副作用
ミノキシジルは高い発毛効果が期待できますが、副作用が出る可能性もあります。特に、内服薬のほうが副作用のリスクは高いため、医師の指導のもとで使用することが重要です。
① 初期脱毛
使用開始から1〜2ヶ月ほどの間、一時的に抜け毛が増えることがあります。これは、古い毛が抜け落ち、新しい髪が生える準備が進んでいる証拠ですが、驚いて使用をやめないことが大切です。
② むくみ・動悸(内服薬の場合)
ミノキシジルの内服薬は、血管を拡張するため血圧が下がりすぎて動悸やむくみが出ることがあります。特に高血圧や心臓疾患のある方は、医師と相談の上で慎重に使用する必要があります。
③多毛症(体毛が増える)
内服薬を服用すると、血流が良くなる影響で、髭・腕・脚・背中などの体毛が濃くなることがあります。体毛の増加が気になる方は、外用薬を中心に使用するのがよいでしょう。
3. ミノキシジルを使用する際の注意点
- 継続使用が必須(やめると元の状態に戻る可能性がある)
- 副作用が強い場合はすぐに医師に相談
- 内服薬はクリニックで処方を受けるのが安全
ミノキシジルは、血流を改善し毛根を活性化させることで、発毛を促進する効果があります。外用薬・内服薬ともに効果が期待できますが、副作用のリスクもあるため、正しく使用することが重要です。薄毛が気になる方は、クリニックで医師の診断を受けながら適切な治療を進めることをおすすめします。
フィナステリドの効果と副作用
フィナステリドの効果はAGAの原因を抑制する

フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に広く用いられている内服薬で、その主な効果は、AGAの原因とされる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑えることにあります。
DHTは、テストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって変換されてできる物質で、毛根にある細胞に悪影響を与え、髪の成長を妨げる原因となります。フィナステリドはこの酵素の働きを抑えることで、DHTの量を減少させ、結果的に脱毛の進行を防ぎ、現状維持や発毛を促進する効果が期待されます。
実際、国内外の臨床研究では、フィナステリドを継続的に服用した男性の多くに脱毛の進行停止、あるいは改善が見られたと報告されています。効果が出始めるのは一般的に3~6か月後とされており、服用を続けることでより高い効果が期待できます。
一方で、フィナステリドには副作用も存在します。代表的な副作用としては、性欲の減退、勃起機能の低下、精液量の減少など、性機能に関するものが報告されています。これらの副作用はすべての人に起こるわけではありませんが、数%の割合で現れることがあります。また、まれに乳房の違和感や腫れ、抑うつ気分といった症状が現れることもあります。
さらに、フィナステリドは女性には使用が禁じられており、特に妊娠中の女性が薬に触れることは避けなければなりません。胎児(特に男児)の生殖器発達に影響を及ぼす可能性があるため、錠剤の取り扱いには注意が必要です。
AGAの原因となるDHTの生成を抑制することで、脱毛の進行を遅らせる効果が期待できる薬剤です。しかし、効果が出るまでには時間がかかり、副作用が出る可能性もあるため、服用する際は医師や薬剤師に相談することが重要です。
デュタステリドの効果と副作用
デュタステリドの効果はAGAの原因物質を抑制できる

デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に用いられる内服薬で、フィナステリドと同様に5αリダクターゼという酵素の働きを抑えることにより、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制します。DHTは毛根に悪影響を与える男性ホルモンの一種で、これを抑えることで脱毛の進行を防ぎ、発毛を促進する効果が期待されます。
デュタステリドは、5αリダクターゼの1型と2型の両方に作用するため、フィナステリドよりも強力なDHT抑制効果があるとされています。これにより、より高い発毛効果が得られる場合もあり、特にフィナステリドで効果が不十分だった人にとって有力な選択肢となります。
服用方法は1日1回、決まった時間に水などで飲むのが基本です。効果が出るまでには3~6か月程度の継続服用が必要であり、途中で服用を中止すると再び脱毛が進行する可能性があるため、継続的な使用が推奨されます。
一方、副作用にも注意が必要です。主な副作用には、性欲減退、勃起不全、射精障害などがあり、ごくまれに乳房のはれや痛みを訴えるケースもあります。また、肝機能への影響が出ることもあるため、定期的な健康診断も重要です。
さらに、妊婦や女性が成分に触れることは厳禁とされています。カプセルが破れた状態で取り扱うことは避け、使用に際しては必ず医師の指導のもとで行うことが大切です。
AGAに対する市販薬のメリット、デメリット
AGAの治療薬として病院に通わなくても手軽に始められる「市販薬」に注目が集まっています。ドラッグストアや通販で購入できるこれらの製品は、忙しい現代人にとって便利な選択肢ですが、使用には注意点もあります。
まず、市販薬のメリットとして挙げられるのは、手軽さと経済性です。処方薬に比べて価格が比較的安く、医師の診察を受けずに購入できるため、治療の第一歩として気軽に始めやすいという利点があります。
中でも、ミノキシジルを主成分とする外用薬は、日本国内で厚生労働省に認可されており、一定の効果が期待できます。血行を促進し、毛根に栄養を届けることで発毛をサポートします。
一方で、デメリットも無視できません。まず、市販薬の多くは効果が限定的で、すべての人に効くわけではありません。AGAの原因は人それぞれであり、ホルモンバランスや遺伝的要因が関係している場合、市販薬だけでは十分な効果が得られないことがあります。
また、副作用のリスクも考慮する必要があります。特にミノキシジルには、頭皮のかゆみ、赤み、まれに血圧低下などの副作用が報告されています。医師の管理がない分、自身で副作用の変化に気づき、対処する必要があります。
さらに、内服薬は原則として市販されていないため、AGAの根本原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する治療は、市販薬では難しいという点も覚えておくべきです。
AGA治療で通院する場合のメリットとデメリット

通院した方が確実な効果を得られる
AGA(男性型脱毛症)の改善を目指す場合、自己判断での対策に限界があるため、専門クリニックへの通院が確実な効果を得る近道と言えるでしょう。
市販の育毛剤やサプリメントも一定の効果が期待されるものの、AGAは医学的に診断されるべき症状です。医師の診断を受けることで、自分の脱毛タイプや進行度に合った最適な治療法を選択でき、無駄な出費や時間を減らすことができます。
通院することで処方されるフィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、AGAの進行を抑える科学的根拠がある治療法です。また、ミノキシジル外用薬の併用など、複数のアプローチを組み合わせることで、より高い治療効果が期待できます。
さらに、通院では定期的な経過観察が可能です。治療の効果を写真やデータで可視化しながら進めることで、必要に応じて薬の種類や量を調整できます。これは自己判断ではなかなか難しい点です。
また、専門のクリニックでは生活習慣や頭皮環境に関するアドバイスも受けられ、総合的な薄毛対策が可能です。ストレス管理や食生活の改善といった日常生活へのサポートも受けられる点は、継続的な治療において大きな支えとなります。
AGAは早期発見・早期治療が肝心です。「まだ大丈夫」と思っているうちに進行してしまうことも少なくありません。少しでも気になる症状があれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。
通院した場合のデメリットは費用
AGA治療の費用が高額になる理由の一つは、AGA治療が健康保険の適用外であることがあげられます。日本では、美容目的と見なされるAGA治療は自由診療となり、全額自己負担となるため、経済的負担が大きくなる場合があります。
具体的な費用は、治療内容や通院頻度によって異なります。一般的には、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬の処方に月5,000円~10,000円程度、ミノキシジルを含む外用薬を追加するとさらに費用がかさみます。また、頭皮注射や植毛といった高度な治療を選択すると、初期費用として数十万円から百万円以上かかる場合もあります。
さらに、AGA治療は長期間にわたって継続する必要がある点も、コストが高くなる要因です。治療を中断すると再び脱毛が進行する可能性が高いため、多くの患者が数年単位で治療を続ける必要があります。このように、長期間の出費が家計に影響を及ぼすことも少なくありません。
ただし、最近ではオンライン診療やジェネリック医薬品の普及により、治療費を抑える選択肢も増えてきています。患者としては、治療を始める前に費用や治療期間についてしっかり医師と相談し、ライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。
AGA治療にかかる費用
AGA(男性型脱毛症)の治療費用は、選択する治療法やクリニックによって大きく異なります。一般的に、治療は継続が必要なため、長期的なコストを考慮することが重要です。ここでは、主な治療法ごとの費用目安を紹介します。
まず、内服薬や外用薬は、AGA治療で最も一般的な方法です。フィナステリドやデュタステリドといった内服薬、ミノキシジルの外用薬が代表的です。これらの薬は月々5,000円〜15,000円程度が相場ですが、ジェネリック薬を選ぶことで費用を抑えられる場合もあります。
次に、クリニックでの専門的な治療として、メソセラピーやHARG療法があります。これらは頭皮に成長因子や栄養素を直接注入する治療法で、1回あたりの費用は20,000円〜50,000円程度が一般的です。複数回の施術が必要なため、総額は数十万円に達することがあります。
さらに、植毛手術は永久的な効果が期待できる治療法ですが、費用は最も高額です。施術範囲やクリニックによりますが、100万円以上になることも少なくありません。
加えて、治療費用には診察料や血液検査代などの付随費用も発生するため、トータルコストを事前に確認することが大切です。また、AGA治療は健康保険が適用されない自由診療であるため、全額自己負担となります。
AGA治療を検討する際は、自分の予算や目標に合った治療法を選び、信頼できる医療機関で相談することをおすすめします。
AGAは進行するため、治療できるが完治は難しい
AGA(男性型脱毛症)は、多くの男性が経験する進行性の脱毛症です。その原因は主に遺伝的要因や男性ホルモン「テストステロン」が変化した「ジヒドロテストステロン(DHT)」の作用によるもので、髪の毛が細く短くなり、最終的には毛根が機能を失うことに繋がります。このようなメカニズムを持つため、AGAは自然治癒することがなく、時間が経つほど進行していくことが特徴です。
治療によってAGAの進行を遅らせたり、薄毛を目立たなくすることは可能ですが、「完治」という形で完全に元の状態に戻すことは難しいとされています。現在利用できる治療法としては、内服薬のフィナステリドやデュタステリド、外用薬のミノキシジルが代表的です。
これらの薬は、DHTの生成を抑制したり、血行を促進して毛根に栄養を供給することで、抜け毛を減らし、髪の毛の成長を促します。ただし、これらの効果は治療を続けている間だけ持続するため、治療を中断すると再び進行が始まる可能性が高いのです。
また、AGAの治療効果には個人差があり、すべての人が目に見える改善を得られるわけではありません。治療開始のタイミングも重要で、初期段階で治療を始めるほど効果が期待できます。進行が進んでしまった場合、毛根自体が失われていることが多いため、薬だけでの改善は難しくなり、植毛手術などの外科的治療が選択肢に入る場合もあります。
さらに、AGAの治療には長期的な取り組みが必要です。1~2か月で劇的な改善を期待するのではなく、半年から1年程度の時間をかけてじっくりと効果を観察することが求められます。また、費用も一定額が必要であるため、継続できる治療計画を立てることが重要です。
AGAは進行するため早期治療が鍵ですが、現時点で完治する方法は存在しないことを理解し、現実的な期待を持ちながら治療を進めることが大切です。適切な治療と生活習慣の改善によって、薄毛の進行を抑え、より良い状態を維持することを目指しましょう。
自分でできるAGAの予防・対策
AGAも他の疾患と同様、早期発見早期治療が肝ではありますが、すぐに治療を開始できるわけではありません。
進行したAGAを民間療法、ホームケアで改善することは難しいですが、日常生活を見直すことでAGAの進行を多少なりとも遅らせることは可能です。
まずは食生活を見直してAGAを予防しよう

AGA(男性型脱毛症)は遺伝やホルモンの影響が大きいとされていますが、食生活を見直すことで薄毛の進行を遅らせたり、髪の健康を維持することができます。偏った食事や栄養不足は頭皮環境を悪化させ、抜け毛を促進する要因になるため、日頃からバランスの取れた食生活を意識することが大切です。
1. 髪の成長を促す栄養素を摂取する
髪の健康には、以下の栄養素が特に重要です。
- たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)
髪の主成分であるケラチンを作るために必要。 - 亜鉛(牡蠣、レバー、ナッツ類)
髪の成長を促し、抜け毛を防ぐ働きがある。 - ビタミンB群(豚肉、玄米、卵、乳製品)
代謝を促し、健康な髪の生成をサポート。 - 鉄分(赤身の肉、ほうれん草、貝類)
血行を良くし、毛根に栄養を届ける。
これらの栄養素を意識的に摂取することで、髪の成長をサポートし、AGAの進行を予防する効果が期待できます。
2. 避けるべき食生活
髪に悪影響を与える食習慣もあります。以下の点に注意しましょう。
- 脂っこい食事の摂りすぎ(揚げ物、ファストフード)
皮脂の過剰分泌を引き起こし、頭皮環境を悪化させる。 - 過剰な糖分摂取(ジュース、お菓子)
血糖値の急上昇がホルモンバランスを崩し、薄毛のリスクを高める。 - 過度な飲酒・喫煙
血流が悪くなり、毛根に十分な栄養が届かなくなる。
3. 規則正しい食生活で髪を守る
食事の時間が不規則だったり、極端なダイエットをしたりすると、栄養不足になりやすく髪の成長が妨げられます。1日3食バランスの取れた食事を心がけ、健康的な生活を送ることがAGA予防につながります。
AGAの進行を完全に防ぐことは難しいですが、栄養バランスの良い食事を続けることで、髪の健康を維持しやすくなります。普段の食生活を見直し、髪に良い栄養を積極的に取り入れることで、将来の薄毛対策につなげましょう。
AGAは自力で治せるのか
AGAは自力で完全に治すのは難しいです。AGAは遺伝やホルモンの影響が大きく、自然に治ることはほぼありません。 進行を止めるには、フィナステリド(プロペシア)やミノキシジルなどの医学的治療が必要です。
完全に自力で治すことは難しいですが、生活習慣の改善によってAGAの進行を遅らせることは可能です。例えば、以下の習慣を意識することで、髪に良い環境を整えることができます。
- 栄養バランスの取れた食事(亜鉛、ビタミンB群を積極的に摂取)
- ストレス管理(ストレスはホルモンバランスを乱し、脱毛を加速)
- 睡眠の質を向上(成長ホルモンの分泌を促進)
しかし、やはり根本的な治療には専門的な治療が必要になります。AGA専門クリニックなどに早めに相談することをおすすめします。
AGAの治療は何歳から始めればいいのか
AGAの発症時期と治療開始の目安
AGAは 20代後半から30代にかけて発症しやすい とされていますが、遺伝や体質によっては10代後半から抜け毛が気になり始める人もいます。進行を放置すると、毛根が機能を失い、発毛が難しくなるため、「薄毛が気になり始めたらすぐに」治療を検討することが重要 です。
年齢別の治療のポイント
・20代前半:この時期はAGAではなく、ストレスや生活習慣による一時的な抜け毛の可能性もあります。まずは 食生活や睡眠を改善 し、必要なら専門医に相談しましょう。
・20代後半~30代:この時期にAGAが本格的に進行しやすいため、早めの治療が効果的 です。フィナステリドやデュタステリド(DHTの生成を抑制する薬)を検討するのが一般的です。
・40代以降:AGAが進行している場合でも、適切な治療を行うことで 現状維持やある程度の発毛が期待できる ため、諦めずに対策を講じることが大切です。
AGAの治療は 「気になり始めたらすぐに」がベスト です。特に30代までに始めると、高い確率で進行を抑えられます。薄毛の兆候を感じたら、早めに専門医に相談し、適切な対策を取ることをおすすめします。