
ミノキシジルの効果によって薄毛が改善した。という症例は多くあります。
ミノキシジルの効果として以下の2つがあります。
- 血管を拡張させることで頭皮の血行を改善させ、毛根や髪の毛に十分な栄養が届くようにする
- 髪の毛の生成を促す細胞を増殖させ、発毛を促す
ただし、ミノキシジルに適した症状でなかったり、使用を数ヶ月で辞めてしまって継続していないなど、症状や使い方によっても効果が変わってきます。
そこで今回は、ミノキシジル外用薬・内服薬の正しい使用方法や、薄毛が改善されるまでに掛かる時間や費用について解説します。
【この記事を読んで分かること】
- ミノキシジルとは発毛促進の効果があり、治療薬には内服薬・外用薬がある
- ミノキシジルの外用薬を効果的に塗る方法
- ミノキシジルの副作用
- ミノキシジルを使って効果が出るまでの時間と費用
- ミノキシジルが頭頂部に効かない言われる理由
- 女性がミノキシジルを使うときの注意点
目次
ミノキシジルは効果がないのか?
薄毛やAGAの改善で大事なことは「抜け毛の抑制」と「発毛の促進」です。
この2つの内、ミノキシジルには発毛の促進効果があります。
本来、ミノキシジルとはお薬自体の名前ではなく成分名です。
しかし、今では「ミノキシジル」というとミノキシジルを含む治療薬のことを指すことがほとんどです。
また、元々は高血圧の治療薬として使われていましたが、血管を拡張させるといった効果が発毛にも有効であることが分かり、今ではAGA(男性型脱毛症)の代表的な治療薬として使われています。
ミノキシジルは具体的に以下の2つの効果があります。
血行の促進

ミノキシジルは、発毛を促進する成分として広く知られています。特に、血行を促進する効果があり、これが発毛に大きく関係しています。
ミノキシジルと血行促進
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されましたが、服用した患者に発毛の副作用が見られたことから、育毛剤としての研究が進みました。そのメカニズムの一つが「血管拡張作用」による血行促進です。
ミノキシジルを頭皮に塗布すると、血管が広がり、毛根への血流が増加します。これにより、毛根に十分な酸素や栄養が供給され、毛母細胞が活性化し、発毛が促されます。特に、AGA(男性型脱毛症)では頭皮の血流が低下していることが多く、ミノキシジルの血行促進効果が有効とされています。
血行促進による発毛の流れ
- 血管が拡張される → 頭皮の血流が増加
- 毛根に栄養が届く → 毛母細胞が活性化
- ヘアサイクルが正常化 → 休止期の毛が成長期に移行し、発毛が促進
ミノキシジルは血行を促進し、毛根への栄養供給を改善することで発毛を促します。継続的な使用が重要なので、正しい使い方を守りながら、根気よくケアを続けることが大切です。
髪の成長因子の産生を促す

ミノキシジルは、発毛効果のメカニズムの一つに、「髪の成長因子の産生を促す」という作用があります。
成長因子とは?
成長因子とは、細胞の成長や分化を促進するタンパク質の総称です。髪の成長には、毛乳頭細胞から産生される様々な成長因子が関わっています。
ミノキシジルと成長因子の関係
ミノキシジルは、毛乳頭細胞に作用し、以下の成長因子の産生を促すと考えられています。
- 血管内皮増殖因子(VEGF):
- 血管の新生を促進し、毛包への血流を増加させます。
- 毛母細胞の増殖を促進し、髪の成長を促します。
- インスリン様成長因子-1(IGF-1):
- 毛母細胞の増殖を促進し、髪の成長を促します。
- 毛髪の成長期を延長させ、脱毛を抑制します。
これらの成長因子の産生促進により、ミノキシジルは髪の成長を活性化し、発毛効果を発揮すると考えられています。
ミノキシジルのその他の作用
ミノキシジルは、成長因子の産生促進以外にも、以下のような作用により発毛効果をもたらします。
休止期の毛包を成長期に移行させ、発毛を促します。
血管拡張作用:
頭皮の血管を拡張し、毛包への血流を増加させます。
毛母細胞への栄養供給を促進し、髪の成長をサポートします。
毛包への直接的な作用:
毛母細胞に直接作用し、細胞分裂を活性化させます。
ミノキシジルの効果は外用薬と内服薬で違うのか?
ミノキシジルには、直接頭皮に塗ることで頭皮から有効成分を浸透させるタイプの「外用薬」と、タブレット型の飲み薬となっていて体の内側から効果を発揮する「内服薬」があります。
それぞれの治療薬としての作用は同じですが、効果に関しては内服薬の方が高いといわれています。直接体内に取り込むため、有効成分が浸透しやすく外用薬に比べ効果が高いのです。

ミノキシジルは、育毛治療に広く使用される成分で、外用薬と内服薬の形で提供されていますが、その効果と作用の仕組みには違いがあります。外用薬は、頭皮に直接塗布することで、毛包への血流を促進し、髪の成長をサポートします。

主に軽度から中程度の薄毛改善に用いられ、副作用が比較的少ないため、多くの人が利用しています。
一方、内服薬は血管拡張作用を通じて体全体の血流を改善することで、頭皮にも十分な栄養が行き渡るようにします。外用薬よりも高い効果が期待される一方、全身に作用するため、低血圧やむくみなどの副作用のリスクが高まる可能性があります。
どちらを選ぶべきかは、薄毛の進行度や体質によって異なるため、医師と相談しながら最適な治療法を選ぶことが大切です。適切な使用で、より健康な髪を目指しましょう。
ミノキシジルの効果を写真で解説
当院「男たちの美容外科」の患者さまで、ミノキシジルを中心とした治療による薄毛の症例写真を紹介します。



ミノキシジルの外用薬の効果的な塗り方
ミノキシジルを使って高い効果を得るための効果的な方法があります。
ミノキシジルの5%外用薬は「日本皮膚科学会の2017年ガイドライン」の中でもAGAの治療薬として推奨ランクは最高ランクの「A」となっています。
また、ガイドラインの実証実験の中でもその効果は確かめられています。
ここでは薄毛の専門医が勧めるミノキシジルの外用薬の効果的な塗り方について解説します。
外用薬の使用方法をしっかりと守った上で以下の3つを行うと効果的です。
バランスの取れた健康的な食事をする

薄毛対策において、バランスの取れた健康的な食事は非常に重要です。髪の成長に必要な栄養素を適切に摂取することで、薄毛の進行を遅らせ、健康な髪の育成を促すことができます。
1. 薄毛対策に重要な栄養素
- タンパク質:
- 髪の主成分であるケラチンの生成に不可欠です。
- 推奨食品: 鶏むね肉、魚、卵、大豆製品など。
- 亜鉛:
- タンパク質の合成を助け、髪の成長を促進します。
- 推奨食品: 牡蠣、赤身肉、ナッツ類など。
- ビタミンB群:
- 髪の成長に必要なエネルギーを作り出します。
- 推奨食品: レバー、卵、牛乳、緑黄色野菜など。
- ビタミンE:
- 頭皮の血行を促進し、髪に栄養を届けます。
- 推奨食品: アーモンド、アボカド、植物油など。
- イソフラボン:
- 男性ホルモンの影響を抑制する効果が期待できます。
- 推奨食品: 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)。
2. 避けるべき食品
- 高脂肪食:
- 皮脂の過剰分泌を促し、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
- 高糖質食:
- 血糖値の急上昇は、ホルモンバランスを乱し、薄毛を進行させる可能性があります。
- 過剰なアルコール:
- 栄養素の吸収を阻害し、髪の成長を妨げる可能性があります。
3. バランスの取れた食事の重要性
- これらの栄養素をバランス良く摂取することが、薄毛対策において重要です。
- 特定の食品に偏らず、多様な食品から栄養を摂取するように心がけましょう。
- バランスの取れた食事を続けることによって体全体の健康を保つことにつながり、健康な髪の毛の成長を促します。
これらの情報が、あなたの薄毛対策に役立つことを願っています。
関連記事:薄毛の対策「まごわやさしい」食材のバランスがとれた7品目を紹介
十分な睡眠を取る

薄毛対策にはさまざまな方法がありますが、その中でも「十分な睡眠を取ること」は意外と見落とされがちです。睡眠は体の回復やホルモンバランスの調整に深く関わっており、髪の健康にも重要な役割を果たします。睡眠と薄毛の関係、睡眠不足が及ぼす影響、そして髪の毛を育てるための正しい睡眠習慣について詳しく解説します。
睡眠と髪の関係
髪の毛は「毛母細胞」と呼ばれる細胞が分裂を繰り返すことで成長します。この毛母細胞の活動を活発にするのが、成長ホルモンです。成長ホルモンは睡眠中、特に深い睡眠の時間帯に多く分泌されます。十分な睡眠を取ることで、毛母細胞の働きが活発になり、健康な髪の成長が促されるのです。
睡眠不足が続くと、以下のような影響が髪の毛に現れます。
- 成長ホルモンの分泌が減る
→ 髪の成長が妨げられ、細く弱い毛が増える。 - 血行不良が起こる
→ 頭皮への血流が悪くなり、毛根に必要な栄養が届きにくくなる。 - ストレスホルモン(コルチゾール)の増加
→ ストレスが増えることでホルモンバランスが崩れ、抜け毛の原因になる。 - 自律神経の乱れ
→ 交感神経が優位になり、頭皮の皮脂分泌が増加。これにより毛穴が詰まり、髪の成長が妨げられる。
このように、睡眠不足は髪の健康に悪影響を与え、薄毛を進行させる要因となるのです。
髪に良い睡眠習慣とは?
髪を健康に保つためには、**「質の良い睡眠」**を意識することが大切です。以下のポイントを実践することで、睡眠の質を向上させましょう。
① 7~8時間の睡眠を確保する
成長ホルモンの分泌を十分に促すためには、最低でも7時間以上の睡眠が理想です。
② 22時~2時のゴールデンタイムを活用
成長ホルモンの分泌は、夜の22時から深夜2時の間に最も活発になります。この時間帯に深い睡眠を取ることが髪の成長にとって重要になります。
③ 就寝前にスマホやパソコンを避ける
ブルーライトは脳を刺激し、睡眠の質を低下させます。寝る1時間前にはスマホやパソコンの使用を控え、リラックスする時間を持ちましょう。
④ カフェインやアルコールを控える
カフェインやアルコールは睡眠の質を下げるため、特に就寝前の摂取は避けるのがベストです。
⑤ 軽い運動や入浴でリラックスする
寝る前に軽いストレッチをしたり、38~40℃のぬるめのお風呂に浸かることで、深い眠りに入りやすくなります。
頭皮環境を整える

ミノキシジルは、発毛促進や脱毛抑制の効果で知られる医薬品成分で、特に男性型および女性型脱毛症の治療に広く用いられています。しかし、ミノキシジルの効果を最大限に引き出すためには、適切な頭皮環境を整えることが不可欠です。頭皮環境が悪化していると、ミノキシジルが十分に吸収されない可能性があり、その効果が十分に発揮されなくなる場合があります。
頭皮環境を整えるための基本的なステップには、まず清潔を保つことが挙げられます。シャンプーは適切な頻度で行い、毛穴の詰まりや余分な皮脂の蓄積を防ぐことが重要です。毛穴が詰まると、ミノキシジルが毛包に届きにくくなるため、発毛効果を妨げる要因となります。また、シャンプーやヘアケア製品は頭皮に優しいものを選び、刺激の少ない成分の製品を使用することが推奨されます。
次に、頭皮の血行を促進することも重要です。血行が悪化すると、毛包に栄養や酸素が行き渡らなくなり、毛髪の成長が阻害される可能性があります。適度な頭皮マッサージは血流を良くし、ミノキシジルの効果を補助する役割を果たします。
加えて、紫外線や乾燥など外部からの刺激を防ぐことも大切です。帽子を使用して頭皮を保護したり、保湿剤を用いて乾燥を防ぐなど、外部環境への対策も考慮すべき点です。これらの取り組みにより、ミノキシジルが毛包に効果的に作用する基盤が整えられます。
以上のように、ミノキシジルの効果を高めるためには、清潔な頭皮環境を保ち、血行促進や生活習慣の見直しを行うことが重要です。これらの努力を日々積み重ねることで、ミノキシジルの発毛効果を最大限に引き出すことが可能となります。
ミノキシジルの副作用について
ミノキシジルは内服薬と外用薬で副作用が異なります。
ミノキシジル外用薬の副作用
- 初期脱毛
- 頭皮のかゆみ、アレルギー反応
ミノキシジル内服薬の副作用
- 初期脱毛

- 肝臓への影響

- 多毛症

前述にもあるように、ミノキシジルはもともと降圧剤として、血管を拡張する働きをもつ治療薬として開発されました。
そのため、血管や血圧に副作用が起きやすい治療薬です。
また副作用としてよく起こる症状としては、最初の1~2ヵ月は初期脱毛がよくみられます。
それと、髪の毛以外の毛も生えてくるといった多毛症も副作用としてよく見られる症状です。
外用薬と内服薬では、内服薬の方が効果が高い分、副作用のリスクも大きいため、必ず専門医師の元で治療を行っていくことをオススメします。
ミノキシジルで効果が出るまでの時間
ミノキシジルは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く使用されており、血流を促進して毛母細胞を活性化することで発毛を促します。しかし、使用してすぐに効果が現れるわけではなく、一定の期間が必要です。
ミノキシジルの効果が出るまでの目安
一般的に、ミノキシジルの効果を実感できるまでには3~6ヶ月かかるとされています。以下のような段階で変化が見られます。
- 1~2ヶ月目:初期脱毛の可能性
使用を始めて1ヶ月ほどで、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは、新しい髪が生え始める準備段階で古い髪が抜けるためで、効果が現れる前兆と考えられます。 - 3~4ヶ月目:発毛の兆し
この頃から、新しい産毛のような細い毛が生えてくることが多くなります。ただし、まだ髪は細く目立ちにくいため、劇的な変化を感じにくい時期です。 - 6ヶ月目以降:明確な発毛効果
6ヶ月以上継続すると、産毛が太くなり、ボリュームが増してきます。髪の密度が高まり、見た目にも変化を実感できるようになります。
効果を最大化するために
ミノキシジルは長期的な使用が前提の治療薬であり、途中でやめると元の状態に戻ってしまうことがあります。適切な用法・用量を守り、根気よく続けることが大切です。また、フィナステリドなどの他の治療と併用することで、より高い効果が期待できます。
ミノキシジルの効果が出るまでには最低でも3~6ヶ月の継続が必要です。焦らず、根気よく治療を続けることで、徐々に髪のボリュームが回復していくでしょう。
ミノキシジルで効果が出るまでに掛かる費用

ミノキシジルによる効果を実感するまでには、ある程度の時間と費用がかかります。
まず、ミノキシジルには、外用薬と内服薬の2種類があり、費用もそれぞれ異なります。
- 外用薬: 頭皮に直接塗布するタイプで、ドラッグストアやクリニックで購入できます。
- 市販薬: 5%濃度のものが一般的で、1本あたり3,000円〜5,000円程度です。
- 医療用: クリニックで処方されるもので、濃度や成分が調整されています。費用はクリニックによって異なりますが、1ヶ月あたり5,000円〜10,000円程度が目安です。
- 内服薬: ミノキシジルを服用するタイプで、クリニックでのみ処方されます。
- 費用はクリニックによって異なりますが、1ヶ月あたり10,000円〜20,000円程度が目安です。
ミノキシジルの効果が現れるまでには、一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度の継続使用が必要です。効果を実感するためには、根気強く治療を続けましょう。
実際には個人差やクリニックによって費用や効果の現れは異なってきます。
費用を抑える方法はいくつかあります。
- 市販薬と医療用を比較する: 市販薬の方が安価な場合がありますが、医療用の方が効果が高い場合もあります。医師や薬剤師に相談して、自分に合ったものを選びましょう。
- ジェネリック医薬品を検討する: ミノキシジルには、ジェネリック医薬品があります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の効果がありながら、価格が安い場合があります。
- クリニックのキャンペーンを利用する: クリニックによっては、初回限定割引やキャンペーンを実施している場合があります。
効果を実感するにはやはり継続は必要になります。継続と共に費用も発生するため良くクリニックと相談するようにしましょう。
ミノキシジルは頭頂部には効果がない?

ミノキシジルは頭頂部には効かないといったことが巷で言われているようですが、「ミノキシジルだけでは効果を実感するまでに時間がかかる」というのが正しいです。
頭頂部やおでこの生え際は特に薄毛が進行しやすい部分となっていて、薄毛が進行している場合には、通常2年〜6年で脱毛していく髪の毛が数ヶ月〜1年となるAGA(男性型脱毛症)の場合がほとんどです。
この時、ミノキシジルの発毛作用による発毛がAGAによる脱毛に追いつかないことで、ミノキシジルが効いていないと感じてしまうのです。
そのため、フィナステリドやザガーロなどの脱毛を防ぐ治療薬をミノキシジルと一緒に併用することで、薄毛の進行を食い止めることができます。
ミノキシジルは女性には効果ない?

ミノキシジル は、発毛を促進する成分として広く使用されていますが、「女性には効果がないのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれません。結論から言うと、ミノキシジルは女性にも効果が期待できます。
女性の薄毛にも有効
ミノキシジルは 血流を促進し、毛包を活性化する ことで発毛を促します。そのため、女性の びまん性脱毛症(FAGA) やホルモンバランスの乱れによる薄毛にも一定の効果が認められています。実際に、女性向けのミノキシジル配合の外用薬も販売されており、多くの人が使用しています。
男性との違いに注意
ただし、女性と男性では使用できる ミノキシジルの濃度 が異なります。一般的に、女性には2%~5%のミノキシジル外用薬が推奨される ことが多く、濃度の高いものは副作用のリスクがあるため注意が必要です。
ミノキシジルは女性にも効果が期待できますが、使用する濃度や適応症状を考慮し、適切に使用することが大切です。特に、使用を検討する際は 医師や専門家に相談する ことをおすすめします。