はげる原因って何?飲酒や喫煙と髪の毛の関係を専門医師が解説します

はげる原因って何?飲酒や喫煙と髪の毛の関係を専門医師が解説します 

「タバコを吸うとハゲる」「お酒を飲むとハゲる」という話を聞いたことがあるでしょうか。

特に喫煙者は、非喫煙者からそのように言われたことがある人もいるかもしれません。

今、世界的に禁煙や減煙、分煙の動きが広がっていますが、同時に喫煙に関する研究も進められています。

 

ここでは、その中からタバコと髪にまつわる研究成果をご紹介。喫煙と薄毛の関係を明らかにしていきます。

 

 

はげる原因①【喫煙】

 
薄毛や抜け毛の原因はタバコにもあります。
 
「タバコを吸うとハゲる」と聞いたことはないでしょうか?

ここでは喫煙と髪の毛の関係について解説します。

 

喫煙ではげる原因【ニコチン】

タバコに含まれる「ニコチン」の影響は、髪にも及びます。タバコを吸うと、ニコチンの作用で血管が収縮し、血の流れが悪くなってしまうのです。
 
血流が滞ると酸素の体内の運搬が滞り、酸素を使いながら健康な髪を作る毛母細胞の

活動が邪魔されることになります。ニコチンの影響で細くなった毛細血管では、頭皮や毛母細胞の一つひとつまで十分な量の酸素を届けられなくなります。
その結果、毛髪が作られなくなるのです。つまり、タバコに含まれるニコチンは、髪に

とって害でしかありません。

さらに悪いことに、髪に害を与えるのはニコチンだけではなかったのです。

 

喫煙ではげる原因【煙に含まれる一酸化炭素】

タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」も、髪への影響が大きいことがわかっています。

一酸化炭素もニコチン同様、血の流れを悪くする原因となるのです。

 

酸素は血中のヘモグロビンと結合しますが、一酸化炭素は酸素よりもはるかに強く

ヘモグロビンと結合してしまうため、肝心な酸素が入り込む隙を与えません。

このことが毛母細胞の活動を邪魔することになります。
喫煙者がニコチンや一酸化炭素、タールを取り入れてしまうことは自己責任の範囲と

いえますが、実際は副流煙のほうがニコチンも一酸化炭素もタールも多く含んでいることがわかっています。

 

つまり、喫煙者の近くにいる人の毛髪に、喫煙者以上のダメージを与えてしまう点で、

副流煙は余計に性質が悪いといえるでしょう。自分はもちろん、周囲の人の毛髪のことを考えるのであれば、できるだけ速やかに禁煙することをおすすめします。

 

はげる原因になる喫煙を辞めて髪を守ろう

薄毛や抜け毛を防止するためには喫煙を辞めることです。

日本にタバコがもたらされたのは、1500年代後半といわれています。

その後、江戸時代には禁煙令が出されたり、時期によっては材料であるタバコの耕作すら禁止されたりするほどのブームを呼び、喫煙の習慣は広く庶民に広がっていきました。

 

さらに、明治時代には「タバコ産業の国営化」、大正時代に「紙巻きタバコが刻みタバコを製造量で上回る」などのトピックを挟みつつ、(戦後の物不足の時期を除き)一貫して市場は成長。年間販売本数も1977年に3,000億本を突破しますが、1996年の3,483億本をピークに減少に転じています。

 

なお、喫煙者の数が多かった時期はマナーや規制もゆるく、病院の待合スペースや電車のホームでの喫煙も許容されていました。しかし、時代とともに、おもに健康の観点から禁煙運動が始まったことにより、喫煙者の数は減少、2016年の販売数量は1,680億本と

ピークから半減しています。

 

「平成27年国民健康・栄養調査(厚生労働省)」によると、2015年に「タバコを毎日吸っている」と答えた人は17.0%、「時々吸う日がある」は1.2%、つまり20%弱の日本人に喫煙習慣があることがわかりました。
ちなみに、「タバコを毎日吸っている」と答えた人の割合は「30~39歳の男性」の40.0%が最も多く、働き盛りの男性にとってはまだまだ喫煙が身近であることがうかがえます。
 
2003年、受動喫煙の防止に関わる健康増進法が施行されたのを皮切りに、禁煙治療に対する保険適用や、たばこ税及び価格の大幅な引き上げ、各自治体による受動喫煙防止条例の施行など、さまざまな禁煙施策が行われてきました。
 
それでも、WHOの「たばこ規制枠組条約」で求められている内容に比べると、日本の対策は不十分であると指摘されています。
つまり、今後も禁煙の流れは続くわけです。元々はストレス発散のために始めた喫煙かもしれませんが、今後は新しいストレスを生むだけの習慣になりかねません。
そして、現段階でもそれを感じている人(喫煙者)もいるでしょう。
 
もちろん、ストレスは毛髪にとって良いものではありません。
 
タバコを吸えないストレスで毛髪にダメージを与え、吸うことでも(みずからと周囲の)毛髪にダメージを与えてしまう喫煙という習慣。そろそろ真剣に禁煙を検討すべき

タイミングがきているのではないでしょうか。

 

はげる原因②【飲酒】

 
AGAや薄毛、抜け毛の原因になる飲酒は控えるようにしましょう。

 
「お酒の飲みすぎはハゲる」と聞いたことはないでしょうか?
ここでは飲酒と髪の毛の関係について解説します。
 

飲酒ではげる原因【アルコール分解に栄養が使われる】

飲酒で摂取したアルコールは酢酸に分解され、体内に吸収されます。
アルコールが酢酸に分解される過程で、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解され、その後に酢酸に分解されます。
 
アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、飲酒による頭痛、吐き気、眠気はこのためです。
 
過剰な飲酒が原因で、アセトアルデヒドから酢酸への分解が追いつかなくなると、

これを補うためにアミノ酸が動員されます。
アミノ酸は髪の成長には欠かせない栄養素であるため、アミノ酸が不足することで髪に十分な栄養を与えられなくなり、育毛に悪影響を与えます。
そのため、過剰な飲酒ははげる原因の1つとなります。
 

飲酒ではげる原因【ジヒドロテストステロンが増加する】

上記で飲酒で取り込まれたアルコールは、アセトアルデヒドに分解され、その後酢酸に分解をされることを説明しました。
 
過剰な飲酒ではアセトアルデヒドが分解しきれず、体内を血流にのって巡ることになります。
アセトアルデヒドの増加はAGAの主原因であるジヒドロテストステロンを増加されます。
ジヒドロテストステロンは脱毛を促し、髪が生成してから脱毛していくまでのヘアサイクルを短縮化させます。
 
そのため、過剰な飲酒は髪の成長に悪影響なだけでなく、ジヒドロテストステロンを増加させ脱毛作用が促し、はげる原因となります。
 

飲酒ではげる原因【血行不良】

飲酒によって懸念されるのが、糖質の過剰摂取です。また、飲酒だけでなくおつまみによる糖質の過剰摂取も考えられます。
 
糖質オフのアルコールや蒸留酒であるハイボールやウイスキーといったお酒であれば、このリスクは回避しやすいですが、日本酒・ワイン・梅酒・ビールといったお酒は

カロリーや糖質量も多いです。
糖質の過剰摂取により中性脂肪が増え、これによって血液がドロドロになり血行不良となります。
 
これによって頭皮も同様に血行不良を起こし、髪の毛への栄養は血液を通じて供給されるため、栄養が十分に行き渡らず育毛を妨げる原因となります。
 
そして結果的に髪の毛が十分に成長することができず、はげる原因へと繋がるのです。

 

飲酒ではげる原因【睡眠の質が低下】

飲酒によって睡眠の質が低下します。実際、アルコールを摂取することで眠りにつきやすくなることがありますが、体内でアルコールを分解した際のアセトアルデヒドによって、睡眠の質は低下することが言われています。
 
髪の毛が健康的であるために、睡眠はとても重要です。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪の毛が成長します。しかし、睡眠が浅く質が低下することで、成長ホルモンの分泌が妨げられ、髪の毛の成長を妨げることに繋がります。
 
そのため、飲酒による睡眠の質が低下は、はげる原因の1つとなります。

 

はげる原因になる過剰な飲酒は控えよう

飲酒による、はげを防ぐには飲酒を控える必要があります。
過度な飲酒は特に育毛や発毛には悪影響となります。
 
また、飲酒が与える影響ははげだけではなく、臓器への影響も大きいです。
肝臓や、糖尿病やすい炎などのすい臓の障害のほか、消化管、循環器系、脳、末梢神経障害など、全身の臓器にへの影響があります。
 
そのため、適量範囲でゆっくり飲み、週に2日は禁酒し、肝臓を休める日を作りましょう。