AGAの治療法とは?専門医師が治療にかかる期間と費用について教えます
AGAの治療法には、治療薬を服用する「内服薬」、頭皮に塗布する「外用薬」、直接注入する「注入治療」、毛を頭皮に植える「植毛」の大きく4つにわかれます。
今回はそれぞれについて詳しくご紹介すると共に、AGA治療にかかる期間や費用についてもご紹介します。
目次
AGA(男性型脱毛症)の治療法
AGAの治療法について紹介します。
AGAの治療法には様々あるため、ここでは「内服薬」「外用薬」「注入治療」「植毛」に分け、一般的な治療法から最新の治療法まで説明します。
AGAの治療法【内服薬】
ここではAGAの内服薬による治療について説明します。
AGA治療法【内服薬:プロペシア錠】
日本皮膚科学会のAGA(男性型脱毛症)診療ガイドラインでもAGAに最も有効な医薬品として推奨されています。
主成分をフィナステリドとする内服薬で、フィナステリドと呼ばれるジェネリック製品もあります。
AGAの原因となる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制することで、抜け毛の予防の効果が期待できます。
AGA治療には欠かせない最も一般的な治療薬です。
AGA治療法【内服薬:ザガーロカプセル】
主成分をデュタステリドとする内服薬です。
デュタステリドと呼ばれるジェネリック製品もあります。
プロペシアと同じく、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制することでの、抜け毛の予防の治療薬になります。
ただし、プロペシアではⅡ型のDHTの生成を抑制できるのに対し、ザガーロではⅠ型・Ⅱ型両方のDHTの生成を抑制できます。
AGA治療法【内服薬:ミノキシジル錠】
プロペシアやザガーロが抜け毛を予防するのに対し、ミノキシジルは発毛を促進する
効果が期待できます。
ミノキシジルは毛細血管を拡張して血流を改善し、毛組織に栄養を送るとともに毛乳頭細胞の細胞分裂を促進することで、発毛を促します。
また、ミノキシジルの内服薬は、国に認可された治療薬でないことから、一部の
AGAクリニックでしか取り扱っていません。
また、海外からの個人輸入などで服用しているケースもありますが、副作用のリスクも
あるためオススメはできません。
AGAの治療法【外用薬】
AGA治療法【外用薬:育毛剤】
育毛剤には「血行促進」「男性ホルモンの活動抑制」「皮脂の抑制、除去成分」「毛母細胞、毛根細胞などの活性化」「雑菌」「保湿」といった効果があると言われています。
ただし、育毛剤は医薬部外品に分類されていて、あくまで髪の毛の発毛を促し、抜け毛を防ぐ、頭皮環境を清潔に保つというところに止まり治療までの効果はありません。
効果が低いというデメリットの一方で、副作用のリスクはほとんどないといった
メリットもあります。
AGA治療法【外用薬:発毛剤】
有効成分をミノキシジルとする発毛剤が一般的です。
また、このミノキシジルは皮膚科ガイドラインでも発毛効果が認められた成分です。
頭皮の気になる部分に塗布してもらうタイプの医薬品となっていて、毛細血管を拡張して血流を改善し、毛組織に栄養を送るとともに毛乳頭細胞が増殖し、発毛を促します。
また、服用の効果の高い方法として、日本皮膚科学会では「フィナステリド内服薬+
ミノキシジル外用薬」の併用が推奨されています。
AGAの治療法【注入治療】
ここでは頭皮に毛根の再生を期待し、直接注入する治療法を紹介します。
AGA治療法【注入治療:メソセラピー】
注射器を使って、フィナステリドやミノキシジルといった有効成分を頭皮の直接注入する治療法です。
注射と聞くと痛いイメージを持つ方をおられますが、特殊な注射器で頭皮を冷却しながら治療を行うため、痛みはほとんどありません。
AGA治療法【注入治療:HARG療法】
注射器を使って、再生因子を頭皮に直接注入する治療法です。
再生医療を応用した最先端の毛髪再生治療です。
髪の成長に欠かせないビタミンBやシステイン、ブフロメシルなども配合しており、
毛母細胞を強く刺激することで発毛作用をもたらします。
また、治療を受けたあとは放置でき、年1~2回のメンテナンスで毛髪を維持することが可能です。
AGAの治療法【植毛】
薄毛が気になる部分に植毛を行う治療法です。
AGA治療法【植毛:人工植毛】
薄毛の気になる箇所に人工毛を植毛する治療法です。
1日でフサフサになることが可能です。
また、自毛植毛と違い、植毛する毛髪がなくても可能な治療法です。
ただし、自毛植毛と比べて継続的なメンテナンスや、2年ほどで再植毛の必要があります。
AGA治療法【植毛:自毛植毛】
薄くならない後頭部や、側頭部の髪の毛を薄毛の気になる箇所に植毛する治療法です。
半年〜1年ほどで新しく生え、施術は1回のみで持続性は半永久的です。
そのため、トータルコストを考えると自毛植毛の方がコストを安く抑えることが可能です。
AGA治療が必要かどうか調べる方法
ここでは自分がAGAかを調べる方法について解説します。
AGAは日本男性の場合、20代後半から30代にかけて発症します。また、日本皮膚科学会ガイドラインにも記載がある通り、20代で約10%,30代で20%、40代で30%、50代以降で40%以上と年齢とともに高くなる傾向にあり、日本人男性の約30%がAGAと言われています。
AGA治療の前のセルフチェック
AGAには食生活、睡眠環境、喫煙、ストレス、遺伝など原因は様々です。
これらに付随するAGAの可能性がある項目を上げました。
初期症状が見られる方はAGAの可能性が非常に高いです。
AGAの初期症状
・細く短い髪が多くなった
・抜け毛が増えた
・家族、親族に薄毛の人がいる
・頭頂部の地肌が透けて見えるようになってきた
・生え際が後退してきた
・M字の切り込みが深くなってきた
その他AGAの可能性がある要因
・頭皮が油っぽい
・食生活が乱れている、栄養が偏っている
・タバコを吸う
・睡眠不足
・過度なストレスを感じている
AGA治療の前にクリニックで診断してもらう
AGAクリニックでAGAの診断をしてもらうことが可能です。
AGAクリニックではマイクロスコープを用いた確認を行います。
マイクロスコープを頭皮に当てることで頭皮が拡大され、頭皮環境や毛髪の状態を詳細に見ることができます。
AGAが発症し始めている方に共通する「髪が細い」や「1つの毛穴から1本の髪しか生えていない」といった症状が簡単に確認することが可能です。
また、ほとんどのAGAクリニックで無料診断が受けられます。
是非、ご活用ください。
AGA治療で薄毛は治る?
適切な治療を受けたほぼ全ての患者様は薄毛を改善されています。
薄毛が改善されないケースとしては「治療法が誤っている」「効果が出るまでに時間が掛かっている」といった理由があげられます。
AGA治療法が誤っている
AGA治療ではご自身にあった治療を行うことは非常に重要なことです。
また、治療法はAGAの進行状況などによっても異なります。市販の育毛剤や発毛剤を使って自己判断で治療を進めるのではなく、クリニックで相談し適切な治療をすることで高い効果は得られます。
薄毛の原因がAGAではなかった。といったような可能性もありますが、クリニックで治療されている場合、薄毛の原因を突き止めることが可能です。
AGA治療の効果が出るまでに時間が掛かっている
AGA治療は人工植毛をしない限りは、即効性はありません。AGA治療では継続的に取り組むことが重要です。また、治療の効果が現れる期間も人により様々です。薄毛改善までの期間に関しては、この記事の「AGA治療にかかる費用と期間」で説明していますので、
そちらはご覧ください。
AGA(男性型脱毛症)とは?
AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で日本語で「男性型脱毛症」です。成人男性に多くみられる髪が薄くなる状態のことで、成人男性の約30%がAGAと言われています。額の生え際や頭頂部の髪が脱毛することで薄くなっていきます。
AGAの原因
AGAの原因は3つあります。
①頭皮の血流低下
②栄養不足
③男性ホルモン
AGAの原因①【頭皮の血流低下】
血流が低下することで、毛根が毛細血管から栄養を受け取れなくなります。
その結果、髪の成長が止まり、成長過程にあった毛が抜けてしまうといったことが
起こり、抜け毛の原因となります。
AGAの原因②【栄養不足】
髪にとって十分な栄養が食事などから摂取できていない場合に、抜け毛へと繋がります。
髪の毛の主成分はタンパク質で、その他にも髪を生成するには鉄や亜鉛などビタミン・ミネラルなどが必要です。
食生活の乱れや偏り、またダイエットなどで栄養バランスが崩れているといった方に
多い、AGAの要因です。
AGAの原因③【男性ホルモン】
この3つの中でも男性に最も多い原因とされるのが、男性ホルモンによるものです。
この男性ホルモンが原因で、脱毛因子「TGF-β」が増加し、髪の成長サイクルに乱れが
生じ、結果的に薄毛になります。
この男性ホルモン(テストステロン)が「5αリダクターゼ」という酵素との作用により、
テジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。
DHTは、男性ホルモンレセプターと結合することで、抜け毛の原因となる脱毛因子TGF-βが増加します。
そして、脱毛因子TGF-βにより成長期の期間が短くなり、通常2年〜6年のサイクルが
数ヶ月〜1年となり、髪が成長する前に抜け落ちてしまいます。
AGAの進行パターン
AGAの進行は人それぞれ、進行箇所が異なります。
ハミルトン・ノーウッド分類法といった分類方では初期の段階で3つに分けられます。
AGAの進行パターン【M字型】
額の生え際から薄毛が進行し始め、M字の剃り込み部分が深くなっていく
AGAの進行パターン【U字型】
額が全体的に後退していく。おでこが広くなっていく
AGAの進行パターン【O字型】
頭頂部から薄毛が広がり、初期では頭頂部の頭皮が透けて見えるようになっていく
AGA(男性型脱毛症)の仕組み
髪の毛には、毛周期と呼ばれる毛の成長サイクルがあります。AGAは、この毛周期が短くなることで脱毛が起こり、更には前頭部や頭頂部の髪が軟毛化して細く短くなるために薄毛になるといった症状です。
AGA治療にかかる期間と費用
ここではAGAの治療法別に、薄毛改善までの期間と掛かる費用について解説します。
期間には個人差があり、あくまで一般的な例となります。
また、費用に関しても商品やクリニックによっても異なります。
内服薬・外服薬 | 注入薬 | 植毛 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
プロペシア錠 | ザガーロ錠 | ミノキシジル | メソセラピー | HARG療法 | 人工植毛 | 自毛植毛 | |
効果 | 薄毛の進行を予防 | 薄毛の進行を予防 | 発毛促進 |
・薄毛の進行を予防 ・発毛促進 |
・薄毛の進行を予防 ・発毛促進 |
植毛 | ・植毛 ・発毛 |
効果が期待できるまでの期間 | 半年〜1年 | 半年〜1年 | 半年〜1年 | 半年〜1年 | 半年〜1年 | 1日 | 半年〜1年 |
費用 | 3千円〜9千円/月 | 5千円〜1万円/月 | 1万円〜2万円/月 | 3万円〜7万円/回 | 13万円〜17万円/回 | 30万〜250万円 | 60万〜350万円 |
AGA治療の自己流は厳禁
自己流でAGA治療を行うことはオススメできません。なぜなら、人それぞれ治療法は
異なることと、ネットや噂話などの治療法では正しい適切な治療に行きつかないからです。
AGA治療法は自己流で実施できる範囲が限られている
自己流でAGA治療を行う場合に、実施できる治療法が限られてきます。
上記で説明した「注入薬」や「植毛」は当然難しいです。
更には、治療薬に関してもクリニックでしか処方してもらえない治療薬がほとんどです。
そのため、市販の育毛剤や発毛剤といった治療しかできないといった現状にあります。
また、市販の育毛剤や発毛剤は副作用のリスクも低いことから簡単に入手ができるため、改善効果も同じく低いといったことが言えます。
AGA治療には副作用の危険がある
市販薬は副作用のリスクは低いです。しかしゼロではありません。
万が一なにかあった際に相談できる専門医師がいるかいないかでは、安心度が大きく
変わってきます。
AGA治療は早期治療がおすすめ
AGA治療は早期であるほど治りも早く、AGAが進行すればするほど改善に時間がかかるため、費用も掛かります。
そのため、効果、費用面の両方で早期治療がおすすめです。
また、AGAは毛周期の短縮といった症状です。
これにより、脱毛や髪が細くなり薄毛となります。さらに、生涯で起こる毛周期の回数は決められており、毛周期の起こる回数を増やす治療はありません。
そのため、AGAの進行を早期で食い止めることは、将来的に薄毛になる可能性も低くしてくれます。
もし、既に薄毛が進行している場合は、少しでも早く毛周期を正常サイクルに戻す治療を行っていくことをおすすめします。
AGA治療を進めるためには?
AGA治療を進める上で、重要なことは「頭皮環境を良くする」「男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響によるヘアサイクルの乱れを改善する」の2つです。
AGAの治療法【頭皮環境を良くする】
頭皮環境をよくするには健康的な生活習慣を送る必要があります。
十分な睡眠を取る。健康的な食事をする。ストレスを抱えない。禁煙する。
といったようなことがあげられます。
これによって、髪の毛の成長に必要な栄養が摂取でき、血流が良くなることで栄養が髪の毛にしっかりと行き渡ります。その結果、育毛効果が見込めます。
また、他にも頭皮環境を良くする方法として、頭皮のマッサージも有効です。
入浴時やシャンプーの際に指の腹でマッサージをすることで、頭皮の血行が促進されます。
AGAの治療法【ヘアサイクルの乱れを改善する】
薄毛のほとんどの原因は、毛周期と言われるヘアサイクルの乱れです。
通常2年〜6年のサイクルがAGAが発症することで、数ヶ月〜1年となり、髪が成長する前に抜け落ちることで薄毛になります。
このヘアサイクルの乱れの改善策として上記の「頭皮環境を良くする」といったことも含まれます。
ただし、男性の場合はほとんどが「頭皮環境」に加えて、男性ホルモン(テストステロン)の作用によってヘアサイクルが乱れることが原因です。内服薬、外服薬、注入治療などでヘアサイクルの改善に取り組みましょう。
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